美術批評家・花房太一による108回の連続展示企画「失敗工房#3」として、愛知県芸術大学を修了したばかりの鵜飼聡子が個展「Illusory Suspicion–このバナナの皮がツルツル滑るバナナの皮とは限らない」を開催します。
美術批評家・花房太一による108回の連続展示企画「失敗工房#3」として、愛知県芸術大学を修了したばかりの鵜飼聡子が個展「Illusory Suspicion–このバナナの皮がツルツル滑るバナナの皮とは限らない」を開催する。HAGI ART全体を使った大規模インスタレーションを通して、日常的なモノを少しだけ浮遊させる。あなたも少しだけ日常から浮遊してみて欲しい。
■Illusionary Suspicion–このバナナの皮がツルツル滑るバナナの皮とは限らない
・作家:鵜飼聡子
・日時:2017/6/27 (火) ~7/17 (月・祝) 8:00~10:30 / 12:00~21:00
・場所:HAGISO (東京都台東区谷中3丁目10−25)
・企画:失敗工房(花房太一)
■アーティスト・ステイトメント
私は日常をただ平凡に過ごしている。
そんな日常に、植物の〈顔〉をした何かが、空間の<顔>をした何かが、あるいは人間の〈顔〉をした何かが、どんどん増えている気がしてならない。
それらは、おそらくただのプラスチックであり、映像であり、ロボットである。今では見慣れたものである。
しかし、いつの間にかそれらの〈顔〉に慣れすぎてはいないか。
たとえば、いつの間にか植物が本物でなくプラスチックであることに慣れて、本来の姿形を思い出せない。もしかしたら目の前のバナナの皮はゴムでできているかもしれない。本当に怖いのは、そんなふわふわとした土台の上で日常を過ごしていることに気づかないことだ。いつの間にか元の姿がすり替わっていることへの違和感すらも感じずに、平凡な時を過ごしてしまい、ある日突然、自分が認識しているものと、目の前にあるものとの大きな乖離に頭をかかえる。
仕方のないことかもしれない。
しかし、ものをよく見なければ、何かをなくした時、何をなくしたかすらも思い出せなくなる。それがなんとも言えない不安を私に与え続けている。 ならば、そうした不安を解消するために、手始めに自らすり替えられたものたちを扱ってしまおう。そうして、積極的にそれらと関係を持ってみよう。一つ一つ着実にものを見ていけば、その不安は解消されるはずだ。
■Illusionary Suspicion–The skin of this banana is not always slippery.
・ARTIST:Akiko Ukai
・DATE:2017/6/27 (Tue) ~7/17 (Mon) 8:00~10:30 / 12:00~21:00
・PLACE:HAGISO (2-10-25, Yanaka, Taito-ku, Tokyo, JAPAN)
・CURATION:Mistake Factory(HANAFUSA Taichi)
■Artist Statement
I’m just spending an ordinary life.
In such daily life, I feel some of the peculiar things are steadily increasing: it might be mimicking plants, space or human. These are probably just plastics, moving images, and robots. Nowadays, we are familiar with these objects.
However, these peculiar mimics are “too much” familiar with us.
For instance, at the time when we couldn’t remind the real figure of plants because we’re “too” familiar with plastic plants. The peel of the banana in front of you might be made of rubber.
It is the scariest that we would never notice the fact that we are spending our daily life on the fuzzy situations. After we don’t feel something wrong about the object switched from the original object, we will recognize big divergence between the real object and the object what we have recognized, we will hold our heads someday. It cannot be helped.
But if we didn’t watch them carefully, we couldn’t find what we lost when we lost something. This fact continues to give me some sort of anxiousness.
If so, let’s treat the mimics in order to relieve the anxiousness. Let’s have a relationship with them. As watching them carefully, we can live in stable situation.